4期生の2018振り返り会に参加しました
- 日本農業経営大学校 小野ゼミ
- 2019年1月8日
- 読了時間: 3分
ゼミ担当教員の小野史です。
2019年もどうぞよろしくお願いいたします。
昨年末、4期生の小野ゼミ生から、嬉しいお誘いがありました。
就農してからの8か月を振り返って、
元ゼミメンバ-が参加してオンラインで報告会をするから先生もどうですか、というのです。
2日に分けて、google ハングアウトで全員をつなぎ
(予定があって参加できない人もいたのですが)、
1人10分で1年の振り返りをスライドを使って発表、そのあと質疑をするという形式でした。
自発的にこういう企画が立ち上がり、
そこに教員の私も混ぜてもらえることにひそかに感動しつつ、
ディスプレイ越しにゼミ生と再会したわけですが、
このときの様子が、ゼミという場がどうあったらいいかのヒントだなあと思ったので、
年頭のあいさつに代えて書いてみたいと思います。
それぞれの発表を聞くと、1年目、みんなさまざまなことに挑戦し、
少しずつ手ごたえを得ながら進んできたことが伝わってきます。
と同時に、本当にさまざまな「予想外」が起きています。
ラッキーな予想外は少なく、大雨の被害に遭ったり、
手続きが進まなかったり、牛が病気で死んでしまったり、地域の諸々に巻き込まれたり。
卒業研究で考えた計画どおり行くことはなかなかないのだと痛感します。

それは悔しかったり悲しかったり、見方によっては恥ずかしかったりする出来事かもしれず、
しかしみんなそれも含めて、仕事の合間の時間を使って丁寧に整理して正直に発表している。
それを聞いていて、「自分の「やったこと」を正直にアウトプットしシェアする」ことが
まずなにより大事だなあと思いました。
それぞれがまとめてくれたスライドがなければ、この企画自体成立しないし、
今回は「考えたこと」以上に「やったこと」だったので具体的な質疑もでき、
お互いのがんばりがよくわかって、素直に労いあえているのが印象的でした。
また仮にアウトプットがあっても、それが正直なものでなければ、
議論は意味をなさないし、周囲からフィードバックをもらっても、響くものにはならないでしょう。
そして、これができるのは、同じ学校・ゼミで学んだ共通のバックグラウンドがあり、
みんな同じ就農1年目どうし、よかったこと、大変だったことをよくわかってくれるし、
うまくいかなかったこともきちんと理解してくれるという信頼があるからだと思いました。
在学中のゼミでは、輪読にせよ、視察にせよ、インタビューですら、
「インプット」であるという意識を持ちがちではないかなと思います。
けれども、読んだ本についての議論、視察やインタビューの振り返りは、
広い意味では「やったこと(考えたこと・勉強したこと)」の「アウトプット」、「シェア」に当たります。
少人数のメンバーで、時間をかけて取り組んでいくゼミだからこそできる
「アウトプットし、シェアする」ことをより大事にできたらと考えています。
さらに、2019年はゼミ生が実際になにか「やってみる」ことを
サポートするような取り組みを企画中です。
ここに書いた「アウトプットをシェア」だとか、なにか「やってみる」前提として、
ゼミという場が心理的に安心安全な場であること、
メンバー同士が一定の信頼関係を結べていることが重要なのは間違いありません。
そして、ゼミ生がゼミでなにかに取り組むことに
自分なりの意味を見出せるのかどうかが鍵だと思います。
ゼミ教員として、そういう場を整えて維持するために、
(不十分な点は多々あると知りつつ)今年も力を注いでいきたいと思っています。
本年も小野ゼミの活動を見守り、ときにご助言いただけましたら幸いです。
ゼミ担当専任講師・小野史
Comments